理学療法士(Physical Therapist : PT)は、全人的・総合的リハビリテーションを支える専門職の一つです。
理学療法は心身の機能を科学的に分析し、主に身体的な機能を改善し、障害を予防・軽減する治療分野です。たとえば「運動療法」は、運動生理学や各種理論に基づくトレーニングなどを行い、「物理療法」では赤外線やレーザーなどの光線、超音波等を用います。また義肢や装具を装着し、日常生活に必要な基本的動作の練習も行います。デイケアや訪問リハビリテーション、福祉用具の開発や住宅改修など環境整備にも関わり、医療のみならず保健や福祉の広範囲な領域で重要な役割を担っています。本学科では、医学をはじめとする科学的な知識・技術に基づき心のこもった理学療法を実施できる専門家を育成します。そのため、自ら考え行動しようとする学習意欲の高い学生を求めます。具体的に、①健康・疾病に関心を持ち、保健医療福祉分野に貢献する意思のある人、②協調性に富む人、③理学療法分野で将来、臨床や研究の場で活躍したい人を歓迎します。入学後は、①基本的人権を尊重して行動できる豊かな人間性と倫理性を養う、②人間を身体・精神・社会的側面から総合的に理解し、理学療法評価の結果から目標を設定し、実践的理学療法に必要な知識、技術を修得する、③医療施設に加えて地域リハビリテーションの中の理学療法の知識、技術を修得し、保健・医療・福祉の各領域の専門職や地域住民と連携、協力して理学療法を実践する、④理学療法に関する科学的研究の実践能力を修得する、⑤国際化に対応した幅広い視野で行動する、以上を教育目標として取り組んでいきます。
近年の情報・生命科学の発展にともなって、身体運動のしくみについてもミクロからマクロなレベルでの理解が急速に進んでいます。例えば組織の再生、運動行動の再建、地域生活の再構成です。ここには<未知>の可能性が広がっています。
身体運動の幅広い理解を基礎とする理学療法にとって、この<未知>とは新しい未来の可能性であり<希望>です。そのため、理学療法の技術は更なる発展を遂げることができるでしょう。
理学療法士の国家資格取得はゴールではなく通過点として、ぜひ、この<未知>なる領域に触れて、新たな自分を発見し、同じ目標をもつ仲間とともに未来の可能性を開拓していきましょう。
本学で学ぶことを地域社会に生かし、未来を創造するトップランナーとなる人材が数多く入学されることを心から期待しています。