1 ・ 専門職連携教育(IPE)とは
- 専門職連携教育
- IPWの実践的な能力を身に付けるために、教養教育や専門教育に加え、実習や演習により実際の活動を体験する専門職連携教育(I P E:Interprofessional Education)をカリキュラム内に設けています。
- IPW:Interprofessional Work とは
- 複数の専門職が協働し、利用者や患者の要望に応えていくことを意味し、本学の「連携と統合」の教育を実践することでもあります。これからの少子社会や超高齢社会において、複数の専門職での問題解決が必要であり、今、IPWを実践できる人材が求められています。
- 1年次ヒューマンケア論
- 利用者中心のケアを考える上で重要なヒューマンケア、すなわち人として人にかかわることの概念について理解します。人間の尊厳、人の一生、生と死とは何か、「ケアすること、されること」を見つめます。
- 1年次ヒューマンケア
体験実習
- 保健医療福祉の実践現場において、援助を必要とする人、援助をする人、チームメンバーと直接かかわり、ヒューマンケアを体験しながら理解します。複数学科の学生を混成したチームメンバーで、県内外の施設や病院に出向き、学びます。
- 2年次IPW論
- 患者・利用者を中心とした専門職連携実践の意義、他の専門分野の特徴と多様性、チーム形成やリフレクション(省察)の理論と方法を学ぶことを通じて、専門職連携の基礎力を養います。
- 3年次IPW演習
- 事例を用いて、複数学科学生を混成したチームメンバーで課題解決に取り組み、葛藤と合意形成(目標の共有)を体験的に学ぶことで、問題解決の取り組みを理解します。
- 4年次IPW実習
- 病院や福祉施設の現場で利用者や施設職員から話を聞き、利用者中心の統合されたケアを創造するために、県立大学の複数学科や他大学の学生の混成チームで専門職連携を実践的に学びます。
- さらに大学間
連携事業に発展
- 本学が開学以来、全国に先駆けて実施してきました専門職連携教育は、2012年度から「大学間連携共同教育推進事業」(文部科学省)に採択され、2016年度の最終年度までの本取組の成果は日本学術振興会から最高評価(S評価)を得ました。
同事業は保健医療福祉における専門職連携教育を、埼玉医科大学、城西大学、日本工業大学と共に大学間連携教育に応用発展させたものです。
専門職連携教育 IPE Interprofessional Education の授業
- 1:実習オリエンテーション時のアイスブレイク初めて出会う大学の学生。課題作業でふれあい、笑いあって、円滑な交流(チームづくり)のキッカケづくり。
- 2:いざ、実習へまずは、利用者(患者)さんの情報収集と共有
- 3:利用者(患者)さんからの直接情報収集利用者(患者)さんの生の声を聞くことができる貴重な時間
- 4:意見を出し合い情報をまとめるチームに帰ってメンバーと情報を共有
- 5:支援内容のディスカッションそれぞれの学びを生かし検討する
- 6:施設ファシリテータによるチーム形成のサポート口は出しすぎずに、学生の学びを見守る
- 7:実習施設内での学生の発表施設職員の方の前でも堂々と発表
- 8:全体発表会で学びの共有そして、リフレクション(振り返り)
2 ・ 充実した支援・学習環境
県大の就職率
埼玉県立大学は1999年の開学以来、保健・医療・福祉の分野において教養、技能ともに質の高い人材を育成しています。 これまで本学から巣立った卒業生は、医療機関や福祉施設をはじめ、企業、官公庁、学校など各分野で幅広く活躍し、高い評価を受けています。
※進路決定率 卒業生数(就職・進学を希望しないものを除く)に占める就職者数と進学者数の割合
- 埼玉県立大学 進路決定率(2023年度卒業生)
- 99.7%
学校生活では、学科の学修にかかわるものばかりでなく、様々な問題や悩みに直面することが少なくありません。本学では、学生が自分一人で思い悩むことなく、気軽に相談できるような体制を整え、より充実した学生生活を過ごせるよう支援しています。担任教員による学生生活、修学・進路や健康などに関する助言や指導の他、授業時間以外でも専任教員の研究室等を訪問して授業に関する質問や学修相談などを行うことができる「オフィスアワー制度」や、同じ学科・専攻の身近な学生同士が学年の垣根を越えてアドバイスをし合う「学年間交流」があります。
また、障害などにより本学での修学に困難が生じた場合、障害ごとの支援について知見を有する教員「障害学生アドバイザー」による専門的なアドバイスを行っています。
- 教員1人あたりの学生数(2023年度)
- 10.3人
国家試験対策・就職・キャリア支援
埼玉県立大学は、毎年98%以上の就職率を誇る就職に強い大学です。
学科・専攻ごとの「進路支援プログラム」とキャリアカウンセラーによるキャリア相談や就職支援講座などに基づいた、きめ細やかなサポートにより、学生の皆さんの就職活動をバックアップします。
- 国家試験対策
- 本学では、ほぼすべての学科・専攻で、卒業要件を満たすと国家試験受験資格が得られます。それぞれの試験の特性にあわせて、各学科・専攻の教員が全面的に支援し、フォローしています。また、学生同士のグループワークを推進することによって、毎年高い合格率を誇っています。
- キャリアセンター
- キャリアセンターでは、就職活動や進路に関する様々な相談について、国家資格を有するキャリアカウンセラーがアドバイスを行っています。
また、求人票やその他の就職情報の閲覧、就職に関する図書の貸出や資料の配布等を行っています。
キャリア相談の利用時間 月曜日~金曜日(ただし、祝日・特定日を除く)8:45~17:20(事前予約制)
- 様々な支援・対策講座
- 年間を通じ、各種説明会や試験対策講座を開催しています。就職活動を行う3、4年生だけではなく、1年生から講座等に参加し、職業意識を高めていきます。学科・専攻ごとに特別な内容が盛り込まれ、希望の進路に沿った講座を受けることができます。
就職活動スタートガイダンス:就職活動を始める3年生のためのガイダンスです。卒業生の体験談を聞き、就職に対する具体的なイメージをつかみます。
卒業生との交流:本学卒業生を就職活動のアドバイザーとして招き、就職活動について貴重な経験に基づくアドバイスをしてもらいます。
学内就職説明会:大学には、年間12,000件を超える求人が寄せられます。病院説明会など学生と就職先との的確なマッチングを行っています。
教員や公務員を目指す学生に向けた、専門の講座を開催しています。模擬試験をはじめ、学内採用説明会や教職員による対策講座など、様々な支援を行います。
- キャリアカウンセラー
- 豊富な経験と専門知識を有するキャリアカウンセラーが、病院・企業研究の進め方や公務員試験に関する相談、履歴書やエントリーシートなどの応募書類の書き方の指導はもちろん、論文試験や面接試験の対策など就職活動をサポートします。
豊富な実習室
3 ・ さらなる高度な学びへ
本学では、より高度な専門性や実践を磨き高めるため、大学院(博士前期課程・博士後期課程)を設置しています。
複雑化・多様化する保健・医療・福祉の課題を、『教育者・研究者・より質の高い職業人』としての立場から解決するための高度な知識・技術・応用力を養います。
博士前期課程
高度な実践や研究に関する知識、技術をより磨き高める
より一層複雑化・多様化する保健医療福祉への県民ニーズに対応するためには、特定の分野において高度な専門性を持ちながら、適切な保健医療福祉サービスを統合して提供できる人材が必要となっています。本学大学院では、2年間の博士前期課程において、このような質の高い職業人、教育者又は研究者を育成していきます。
そのためには、保健医療福祉関係の実務経験や現場で培った問題意識を活用すること、専門分野に関連する様々な領域を学ぶことがきわめて有効と考えられます。そこで本学大学院では、社会人が学びやすい環境を整えるとともに、保健医療福祉に関する他の専門分野との連携・協働を推進する能力を身に付けるためのカリキュラムとしています。
博士後期課程
専門職連携教育を通じて、 次世代型保健医療福祉人材を育てる
博士後期課程では、これまでに構築された保健医療福祉の学問領域に根ざした、研究志向性のある自立した指導的立場の研究者、教育者又は職業人として、地域全体の視野から、住民の生活の質の向上を推進するため、看護、リハビリテーション、健康福祉に関する理論と技術開発、システムづくり、人材育成まで統合的な視野で促進でき、超高齢化社会に貢献できる人材を育成していきます。
遠隔システムについて
- 本学は、リアルタイムやオンディマンドによる受講を可能とする遠隔講義のシステムを構築しています。キャンパスだけではなく、職場や自宅などから受講できる環境を整備することで、対面や遠隔それぞれの利点を活かしながら多様な学びを提供しています。学内研究発表会や指導教員によるゼミナール活動でも、本システムを活用することで、研究活動を支援いたします。
支援制度
- 奨学金制度
- 経済的理由で修学が困難な優れた大学院生を支援する制度です。独立行政 法人日本学生支援機構の貸与型奨学金などがあります。
- 長期履修学生制度
- 職業を有する方など、学修時間が十分確保できない事情がある場合には、長期履修学生として認定を受けることで、博士前期課程では4年、博士後期課程では6年を上限として履修期間を延長することができます。
- 教育訓練給付制度
- 厚生労働省教育訓練給付制度の指定を受けています。教育訓練給付制度とは、一定の要件を満たす雇用保険の被保険者等が教育訓練を修了した場合に、支払った教育訓練経費(授業料等)の一部がハローワークから給付される制度
- サテライトキャンパス
- 社会人の大学院生の教育研究環境を整えるため、さいたま新都心の埼玉県立小児医療センター8階にサテライトキャンパスを設置しています。サテライトキャンパスでの授業は、博士前期課程の大学院生を対象に平日夜間(18時00分~21時10分)に開講しています。※サテライトキャンパス開講科目のみの履修では、すべての修了単位を修得することができませんのでご注意ください。
- 仕事をしながら学べるリカレント教育
- 博士前期課程では、社会人の大学院生が学びやすいよう、平日夜間(18時00分~21時10分)及び土曜日(9時00分~17時50分)に授業を開講しています。原則として、平日夜間及び土曜日開講科目を履修することで特別研究以外の修了単位を修得できます。博士後期課程では、平日昼間及び夜間に開講しています。
教育・研究関連制度
- 大学院研究員制度
- 大学院修了後、教育、研究環境の充実や、研究者や教育者を目指すキャリアパスに寄与するための制度です。学位取得後の研究継続を支援するため、研究 環境を提供します。
・博士研究員 「博士」の学位を所有し、本学で研究を行うことを希望する者 ・修士研究員 「修士」の学位を所有し、本学で研究を行うことを希望する者
- 相互研究指導制度
- 大学院の教育研究の質のさらなる向上のため、以下を認める相互研究指導制 度を設けています。
一 本学大学院に在籍する者が外部の研究機関等において指導を受けること
二 外部の研究機関等に在籍する者が研究科教員の指導を受けること
- ティーチング・アシスタント(TA)
リサーチアシスタント(RA)制度
- TA:将来、教育者等を目指す大学院生にトレーニングの機会を提供することを目的に、教員の補助者として講義・演習・実習等の補助業務を行う制度です。
RA:将来、研究者等を目指す大学院生にトレーニングの機会を提供することを 目的に、研究補助者として本学において実施する研究に参画する制度です。
- 「特別研究員」採用者が増えています。
- 日本学術振興会(学振)は、学術の振興を図ることを目的とする我が国唯一の独立した資金配分機関として、学術研究の助成、研究者の養成、学術に関する国際交流の促進、大学改革や大学のグローバル化の支援など多岐にわたる事業を積極的に実施し、研究者の活動を安定的・継続的に支援しています。
本学大学院では、若手研究者が研究に専念できるよう環境整備のため、特別研究員への応募をバックアップしています。日本学術振興会(学振)は、学術の振興を図ることを目的とする我が国唯一の独立した資金配分機関として、学術研究の助成、研究者の養成、学術に関する国際交流の促進、大学改革や大学のグローバル化の支援など多岐にわたる事業を積極的に実施し、研究者の活動を安定的・継続的に支援しています。
本学大学院では、若手研究者が研究に専念できるよう環境整備のため、特別研究員への応募をバックアップしています。